使用機材 | 機種名 |
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CDプレーヤー | アキュフェーズ DP67 |
DVDユニバーサルプレーヤー | パイオニア DV-S747A |
D/Aコンバーター | バートランド Odeon-Ag +リクロッカーオプションボード |
プリメインアンプ | サンスイ AU-α907NRA |
スピーカー | JBL S143 |
CDをセットしプレイボタンを押す。演奏が始まり数秒後「アーッ」と声を上げてしまいました。これは私のステレオの音ではない。一瞬、錯覚かなと思いましたが確かにその音が聴こえてくるではありませんか。今までの流れとは全く違う新しい音、しかし何処かで聴いたことのある音、それはしっかりと余韻、響きを発する「生」の音であることに気づきました。まるで花火を見ているようで、音中心から放射状に「パーッ」と発散します。
ドラムやコンゴの響きが天井にまで達し焦点が合ったかと思うと中央の奥からトロンボーンが「スーッ」と抜け出てきます。ピアノの高音は前に低音はその奥に、ウッドベースはダンピングが効き力強くしっかりと、一音一音を追うことができます。サックス、トランペット、トロンボーンの重なりに奥行きがあって、その存在を知ることができます。
音場が鮮明になり今まで知りえない音やアーティストたちの息遣いや声が聴こえてくることで、技の表現や、その録音現場をはっきり望むことが出来るようになりました。そしていつもの音量なのに、力強さ、明晰さがあって、エネルギー感が増し音場が大きくなりました。
ボリュームを上げても耳障りでなく、迫力があり、それでいて柔らかく、下げると弱音部と思っていた箇所も決して消えることなく、しっかりと響きを発し、その陰影を窺うことが出来ます。聴く音量の範囲の中でどこにおいてもバランスの取れた音質です。それにリスニングポジションにもあまり左右されません。以前は耳の位置を一定にしないとバランスが取れませんでしたが今では気ままな場所で、その音像、音場を楽しめるようになりました。
私が最も注目した低音では「ダイナミックさ」の他に繊細な響きが感じられます。特にウッドベースでその余韻と響きは普通でにくいと思うのですがP-202を通すとアーティストの手さばきが解るぐらいに微妙なニュアンスが伝わり、すばやい動きで指が少し弦に触れただけの音も聴こえ又ボディーの反響さえも聞き取れ、眼前で生演奏しているようです。
P-202を通すと不満であった点が一挙に解消され、機器を買い換えず充分に楽しめます。機器をグレードアップすればもっと違う音質を楽しめるともいえます。もっともP-202があっての話ですが。